水事業

 

同志社女子大学教授左巻健男氏が「水はなんにも知らないよ」(ディスカヴァー携書)という本を出した。
内容は、「蔓延するニセ科学にだまされるな!」と、相も変わらぬことで、江本勝氏の「水からの伝言」を第一の標的とし、その他の水に関するビジネスをいろいろ批判している。後半は水についてのウンチクのコピペ集である。
さて、水についてのビジネスには、インチキのものがたくさんある。
私もそう認識している。たとえば、ペットボトルで売っている水の多くはインチキだ。

しかしニセ科学批判者たちは大手飲料メーカーを正面から批判することはない。
天羽優子氏などは「水商売とは水に付加価値をつけて売る商売のこと」と定義しながら、それを「蛇口産業」と呼び変えて範囲を狭めることで、なぜか、水道当局や大手飲料メーカーを、初めから批判の対象から除外している。

また、私は10年前からアルカリイオン水はインチキだと言い、1999年に出した拙著「アトピー解決篇」にもそう書いている。最近では、ある会合で講演したS教授に質問して、「活性水素説」を批判した。
もし、白金コロイドが活性水素を運び、その白金は電極から溶出しているのなら、白金コロイドは両極ともに分散して存在しているだろうから、電気分解した水は出口でもう一回まとめて飲めばいいのではないか、と質問したら、S教授は「そうです」と答えたものである。

また私は、「水からの伝言」については、あるところから先は科学の枠外だから、論評の対象から外しているが、水のサンプルによって結晶の出来方(出現確率や形状)に差がある、という江本氏の報告については、科学的にあり得る話だから、専門家が参加して調べるべきだと主張している。

ところが、このようなごく冷静で公平な主張に対して「ながぴい」という人は、

 

 

 

[23394] あわてて○はずしたのか?
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ながぴい のコメント: 2007-03-05 12:45 :

どうりで「水伝」を弁護したがるわけだ。

 

 

などと言っている。
ニセ科学批判者たちは、おべんちゃらを言い合う人たちだから、仲間でない意見は、敵方の「擁護派」とか「弁護」とか見えてしまう。そういう思考回路しかない。
ながぴい氏はまた、天羽優子氏のブログで、水の結晶を自分たちで作れないのに相手を批判ばかりするのは良くないんじゃないか、と言って周囲から批判されて黙り込んでしまっている。これで阪大の教授らしい?から情けない。
しかし実は、天羽優子氏もまた、水の結晶を作ってみたいね、と口走ったりしていて、水の結晶を自分で作ってみよう、と考えるのはむしろ当たり前でなのある。それが科学者というものだ。自分では水の結晶を作れもせず、「実験もどき」をやってろくでもない氷を作るだけで、頭でっかちな批判ばかり繰り返すのは、自分が真の科学者ではないことを白状しているのと同じだ。作ってから批判する、それが科学者の最低の矜持だろう。

だから、真の科学者で、水の結晶に関心がある者は、江本勝氏を師と仰いで、その門を叩くべきである。そして一緒に実験観察をすればよい。簡単な話だ。

しかしむろん左巻氏にも、自分で結晶を作ろうなどという気はサラサラなく、ただ既成の知識で批判しているだけだ。そもそも氏はその経歴から見て、科学研究をしたことがないから、真正の科学研究者では全然ない。だから仕方がない面もあるが。

さて、左巻氏は次のように書いている。

 

 

p35
ここではっきりするのは、こうしてできた結晶をつくる水分子は空気中にある水蒸気にあったものだということです。(中略)
結晶はシャーレの水とはほとんど無関係だし、一部は元の水にあった水分子が含まれていても、ばらばらになった水分子ですからやはり元の水にあったというだけです。

 

 


これは、学習院大学の田崎氏が、

 

 

「結晶を作る水分子はすべて室内にもともとあった水分子であって、シャーレの水は1分子たりとも含まれていない」

 

 

といって江本氏を批判したことに対し、私が、「シャーレの水は1分子たりとも含まれていないという根拠を示せ」と批判したところ、田崎氏は応えず、ほっかむりしたまま、今ではイケシャーシャーと「ニセ科学批判」などという講義をしている恥知らずぶりなわけだが、その私の指摘に対して、どうやらニセ科学批判者たちは、なし崩し的に修正を図ってきているということのようである。

それが、「シャーレの水はほとんど無関係」「一部は元の水にあった水分子」という表現である。

しかし、「ほとんど無関係」とは、どういうことで、どういう根拠でそう言えるのか。
また、なぜ一部なのか。一部とはどれほどか。そういうことがまったく語られない。
物理学とは、そういうディテールを詰めていく学問なのだ。
ニセ科学批判者たちの物理学に対する不真面目さには呆れるほかない。
彼らはみな「ニセ学者」と言ってよい。

最後の文も、いささか意味不明だが、間違いである。
左巻氏は、ばらばらになった水分子は、ばらばらになる前の変化や差違の記録あるいは記憶を失う、と言いたいようだ。しかしそうとは限らない。分子レベルで起きた変化であれば、それらの分子がくっついていようと、ばらばらになっていようと、分子のひとつひとつに変化や差違が保存されていても不思議ではなかろう。
問題は、変化や差違が、クラスターレベルでおきているのか、分子レベルで起きているのかということだが、それが未解明だとしても、「ばらばらになったから、元の水にあったというだけだ」というような単純な話ではなかろう。

一般向けの書物だといっても、こういう「留保なしの断定」を平気でする粗雑さや、そういう独断を根拠に相手をインチキだと言いつのる厚かましさは、左巻氏が真正の科学研究者ではないことをはっきりと示している。

 

 

 

p67
超強力な磁石でない限り、水は磁石の影響を受けない
ものすごく強力な磁石(超伝導の電磁石など)を水面に近づければ、水面は少しへこみます。そして、その磁石を水面から遠ざければ元に戻ります。この場合でも磁石の作用後も影響が残ることはありません。また、ものすごく強力な磁石で水面がへこんだとしても、ピコ秒(1兆分の1秒)の間隔でダイナミックに変動する水のミクロな構造は影響を受けていないでしょう。
このように、水に対して影響を与えようと考えたら、非常に強力な磁石でないと、効果は期待できません。しかし現在、磁石で水を活性化するというときに使われている磁石は、近づけると水面がへこむような超強力磁石と比べると、ずっと弱い磁力しか持っていません。このような装置に使われている磁石であれば、少しくらい強力な程度では、水は反応しないとしてよいでしょう。

 

 


これも相当にアバウトな話であり、根拠は?データは?と問われて、根拠やデータを出せるような話ではなく、左巻氏の思いこみを語っているにすぎない。
へこんだ水が元に戻ったら、もう何の影響も残っていない・・・・などと、一体どこからそんなことが断言できるのか。水分子が激しく動いているのはそのとおりだが、だから磁場をかけても分子の内部に変化は起こらない・・・・・などという理屈も、全然成立しない。こう言うと、「磁気で水が変わる」と言っている側も、思いこみではないか、詐欺ではないか、と氏は反論してくるのかも知れないが、それは違う。
磁気で水が変わっている証拠は、味覚とか、植物の成長とか、配管のぬめりがなくなるとか、枚挙にいとまがなく、ニセ科学批判者たちが認めないだけで、すでに100年前から世界中の人々の知見となっていることなのである。
ただ、水の中を直接観測して、その水がどう変わっているかという、直接のデータが、学会レベルではないだけである。

しかし実は、我々の観測では、磁場の間を通った水は

磁化しているのである。
また、その水の「構造」が変化していることを示す光学的分析結果もある。
水の磁化については、フェライト系の、それほど強くない磁石をすっと近づけただけでも、一瞬で水は磁化し、その磁性は長期間保持されるのである。
その磁束密度は100万分の1ガウスのオーダーの、ごく微弱なものだから、普通の磁束計では計れないが、阪大OB系のある民間研究所で手作りしている、地球物理学用の磁束計で計ったところ、そういう結果が出た。そして、その水を特殊な消磁装置に入れて高周波をかけると、その磁気は消えることも観測されている。
つまり、水は磁化させることができ、消磁もできるのである。

磁気というものが電子のレベルで発生していることから考えれば、水の磁化現象は、水分子の軌道電子に起きている変化から派生している、と推測するのが合理的である。このことは、将来、学会レベルで話題になるはずだが、分子レベルで変化が起きているのではないかという推測は、先述した、「磁気水」が起こすさまざまな効果によって先見されていることである。
そういう事象を確認もせずに、すべてを否定して平然としている「ニセ学者」たちが、知らないだけだ。

左巻氏程度の理解で、「世の磁気活水器はすべてインチキである」などと断言することは、自分の無知をさらけ出すだけでなく、磁気活水器を製造し普及し愛用している、すべての人々に対する名誉毀損と営業妨害に相当するから、やがてそういう問題に発展するだろう。

 

 

p63
クラスター説は科学的に否定されている
ところがすでに、NMRの吸収スペクトルの半値幅とクラスターについての松下説は、科学的には否定されています。(中略)つまり、クラスターとは関係がないのです。
しかし松下説は一見わかりやすいので世に広まりました。科学的に否定されているという話は、一般の人にはほとんど知られていません。「水の分子工学」を読むなどしなければわからないからです。ですから松下説は今も大活躍です。

 

 

よくある説明だが、この主張の間違いは、前回紹介し、批判した、天羽優子氏がゲルマニウムの効能を否定したのと同じ、論理的な間違いである。

天羽優子氏は、ゲルマニウム業者が「ゲルマニウムから電子が出て体をいやす」と説明しているのを否定し、「ゲルマニウムから電子は出ていない」と言った。
そして、「だからゲルマニウムは効かない」と言ったのである。

しかしその論理は間違っている。

天羽優子氏が否定したのは業者の説明であって、言えることは、「業者の説明は間違っている。だからもしゲルマニウムが効くとしたら、それは別のメカニズムだ」という、そこまでの話である。ゲルマニウムは効かない、などとは言えないのだ。

今の場合も同じだ。

松下氏は、「NMRの半値幅が、クラスターの大きさを示している」と主張し、それに対して大河内氏は「NMRの半値幅は、クラスターの大きさを示していない」と言ったのである。それだけのことだ。
では、クラスターの大きさはどうなっているのか。それは分からないのである。
大河内氏はそのことは言っていない。測る方法がないのだから当然だ

 

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